Hair, there and everywhere: Baker 氏によると、彼女のヘアースタイルが Firefox の尾に似ているのはまったくの偶然だとのこと

Dan Warne (APC): Firefox は驚くべき成功を収めているように見えますが、当初はどれほど規模の小さなものだったのか、そして現在はどれほど巨大になったのかについて本当のところを理解するのは難しい状況です。

Mitchell Baker: その通りです。Mozilla プロジェクトは 1998 年に発足し、当初は Netscape 内に仮想組織のような形で存在していました。私たちは長い間独立した組織を持ちたいと考えており、2003 年になってようやく、ある程度の資金や法的資産、そして Mozilla という名前を確保すべき時だと決心したのです。

しかし短期的には、私たちが所有していた開発マシンでさえもかなりの危機に直面していました。当時は財政的な安定がまったく期待できませんでしたから。

そこで、財団は 10 人から 11 人程度の職員と共に発足して、その後 15 か月のうちに 2、3 人雇うことができる程度でした。ですから、Firefox を送り出した時には、職員は 15 人程度でした。非常に小さな組織だったのです。

Dan Warne (APC): これほどまでに複雑な製品なのに、驚くほど小さなチームだったんですね。

Mitchell Baker: 12 人だったかしら。当時は、非常に小さかったんです。私たち全員にとって本当に大きな賭けでしたが、結局はうまくいきました。

私たちは、Firefox 1.0 をリリースする前から、自分たちは流れに乗っているとか、私たちの製品とタイミングがぴったりだとか、かなり良い感触をつかんでいました。2004 年の夏、ないしは 5 月か 6 月になる頃には、テクノロジーへの関心のレベルや製品のユーザ数から、私たちは良いポジションにいると言えるようになっていました。

でも、実際に Firefox 1.0 をリリースしたらどうなるのかとか、その反響については予測できませんでした。ですから、その後のことは予測もしていませんでしたし、予見もできませんでした。もっとも、こうした類いのことは予測できないものだと思いますけれど。私たちは長い間準備をしてきたわけですけど、どこからともなく突如躍り出てきたような感じでしたね。

Firefox 1.0 をリリースまで持っていくにあたって私たちが長い時間をかけたことのひとつは、どのようにしたら、Firefox を可能な限りエンドユーザに向けた製品にできるかということでした。これは私たちにとって大きな挑戦でした。というのも、製品のデザインは、おじいさんやおばあさんといった、テクノロジーに必ずしも興味持っているわけではない人たちに向けたものだったからです。こうした人たちがインターネットを楽しむにはどうしたら良いでしょう?

こうしたことが製品に取り入れられましたが、最終段階に近づくにつれて、最初に立ち上げた際の見た目をどうするか、といったその他のことも出てきました。今日、Firefox について、検索バーやシンプルなスタートページということが有名だと思いますが、私たちはこうした点について、果てしなく長い時間をかけて議論を積み重ねたのです。

Dan Warne (APC): まさか。あまりにも自明なことのように見えますが。

Mitchell Baker: ええ。これは、製品デザインとしてではなく、表示の仕方という点で、開発者中心主義から移行したもっとも早い時期のものだったからです。

ポータルページを表示すべきか、ユーザが本当に必要としているのは何か、とか、Mozilla Suite でかつて表示していたような「コード作成の手伝いをしてください。こちらが私たちのバグ追跡システムです」といったページを残すか、といったことについて、非常に長い議論をしました。

最終的に私たちは、過去の開発者向けのスタートページはふさわしいものではなく、ユーザが確実にするのは検索だ、という結論に達しました。人々は Web 上で様々なことをしますが、何かを探している時には誰もが検索をする、という点については私たちの間で意見が一致しました。

そこで、私たちはスタートページから検索をできるようにしたのです。そうしたところ、Google がそこに興味を示してきたので、共同のスタートページを作成したのです。これが、現在のスタートページに行き着いたいきさつです。これは良い決断だったと思います。というのも、今でも多くの人々がこのスタートページを気に入ってくれており、スタートページをカスタマイズしている人たちを見ても、検索以外の何かを選ぶにしても、何を選んだら良いのか分からないくらいですから。

私たちはまた、各種検索エンジンとの間で、収益面でも契約を交わしました。ですから、Firefox の市場シェアが伸びるに従って、私たちの予測を超えて多くの人が検索エンジンを使うようになり、検索とスタートページ、そして検索バーというコンビネーションによって、検索が本当の意味で使いやすくなりました。

そして、私たちの予測を超えて、より多くの人が Firefox を使うようになり、より多くの検索が行われるようになったのです。そんなこんなで、私たちが求めていた持続モデルが功を奏して、実際にうまく回り始めたことにより、当初考えていたよりも多くのお金を生み出すようになったのです。